5月20日「種子が消えればあなたも消える」西川芳昭先生講演会&総会

弊会の総会の記念講演に「種子が消えれば、あなたも消える」(コモンズ)の著者・西川芳昭先生をお呼びします。どなたでも参加できます。

主要農作物種子法(以下種子法)がこの4月に廃止されました。種子法とは国の責任のもと米や麦などの主要作物を優良な種子として維持するための法律で、これを根拠に各県では予算を取って米などの種子を県の農業センターで生産していました。これからはこの予算獲得の担保を得られないことになります。
一部では、数社の多国籍企業が資本力に任せて種子を独占していくのではないかと心配する声があります。企業が改良したF1などは開発者に所有権=私があるかもれませんが、種子は自然にあったものを人類が長い年月をかけて改良してきました。いわば公のもの。そして公を守るためには、常に多くの人が意識をもって監視しなければなりません。
農業に関わる私たちにとって特に大切な「種子」について、西川先生をお迎えしてお話を聞く機会を用意しましたので、ぜひご参加ください。

日時:5月20日(日)午後1時から午後3時
場所:二本松市市民交流センター 会議室

終了後は、参加者が持ち寄った種を交換する会を開催します。その後弊会の総会となります。

西川先生

ふくしま有機ネット交流会を開始しました

3月17日(土)に神田神保町でふくしま有機ネット東京交流会を開催しました。福島からは2回行ったスタディツアーの受入農家・南相馬市の森キヨ子さん、広野町の新妻良平さんご家族をお呼びし、30名を超える方と交流して頂きました。
東京交流会

農家お二人の話の他、昨年のツアーの様子をコーディネーターに紹介してもらいました。参加者同士の交流も進んだと思います。
東京交流会1

料理は笑むすびの山田みきさんの独創的なおむすび、新妻さんのブロッコリーやアヒルソーセージ、スモーク、会津の郷土料理のニシンの山椒付け、東和・佐藤佐市さんの小松菜のおひたし、全国4位の豆腐屋おはらの木綿豆腐、魂のポテサラなどなど。さらに福島の特徴ある地酒を11種も大好評でした。
東京交流会2

販売コーナーでは森さんの藍染製品、新妻さんのオリジナル日本酒「鶩」、ソーセージ、お米、ブロッコリーなど。
東京交流会3

ふくしま有機ネットが新年度から募集を始める交流事業を進めるための「サポーターズクラブ」についても紹介させてもらいました。これについては、別途詳しくお知らせします。

来年も交流会を企画しますので、お楽しみに。

また多くの方にボランティアでお手伝い頂きました。ありがとうございました。

浜通りの農家を巡るツアー・富岡、楢葉、広野町編

2月17日〜18日に首都圏の方と一緒に富岡、楢葉、広野の農家さんを巡るツアーを行いました。

富岡町は昨年4月に一部が避難解除されたばかり。まだ双葉町に隣接するところは帰還困難区域となったままです。帰還率は一桁代でいたるところに空き家が目立ちました。
富岡駅で首都圏からの参加者と合流し、まずは稲作農家の渡邊伸(のぼる)さんのところへ。
10ヘクタールの水田を耕す町内随一の大規模農家さんで、有機栽培の取組もされていたそうです。
昨年は天のつぶを60aを作付けし(慣行栽培)、放射能検査も問題なくパスされたとのこと。
ただご自宅はまだ水回りが壊れたままで避難先のいわきから通われているそうです。
周辺の農地はほぼ綺麗に耕されていましたが、これは国から委託を受けて耕起しているとのこと。ただしその事業も平成30年度までで、その後の農地の利用の目処はたっていないそうです。
水利、イノシシなどの獣害などを考えても大規模稲作の復活は厳しいと感じました。
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その後富岡町内を見学。
民間主導の大規模ソーラーや東京電力の巨大変電所、富岡町のシンボル夜ノ森公園など見て昼食へ。
なお夜ノ森公園は避難解除された所と帰還困難区域のちょうど境目にあり、町のシンボルが分断された形になっています。

昼食は国道6号沿いで、帰還困難区域のすぐ横で営業しているカフェYさん。福島の食材をふんだんに使ったランチを出して頂きました。ここのオーナーさんはいわきでスナックを経営していたあいこさん。富岡でお酒が飲める所が欲しいという声に答えて、こちらで開業したという素敵な方です。
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昼食後は途中、巨大な減容化施設を横目に見つつ、一路楢葉町へ。原発事故で生まれた分断、被災地の負担も、まだまだ終わってない。

楢葉町では震災前柚子による町おこしを行なっていました。その中心メンバーの一人松本広行さんのところへ。楢葉町は2015年9月に避難解除されましたが、帰還率は3割にも満たないそうです。松本さんも避難先から通っているとのこと。立派な自宅前に柚子の木が100本ほどあり、今年はそれを果汁にして、白河の千駒酒造さんに柚子の酒を作ってもらうことに。震災前は会津ほまれで作ってもらっていたそうですから、7年ぶりの復活になります。
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その後今晩の宿となる木戸の交民家へ。築70年の立派な日本家屋をリノベーションした空間。4名の若者がプロデュースしています。ここで福島の海と山の幸をふんだんに使った鍋をメインにした夕食を堪能しました。
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2日目は広野町へ。福一から30キロ圏のため一時的に避難指示が出されたものの、富岡町や楢葉町のように避難区域に指定されなかったため、比較的復興が進んでいます。

まずは二つ沼公園にある農産物直販所へ。
震災前から農家さんが組合を作って運営されていたものの、震災後は会員が40名から10数名に減りながらも、頑張って続けています。震災直後から、数少ない地元産の野菜が手に入ると人気だとか。

その後、この直売所の復活させた中心メンバーで有機農家の新妻良平さんのところへ。
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広野町はもともと山が海岸部に迫り平場の少ない町ですが、山間部に入った高台に新妻さんの農園はあります。
メインはアヒルを除草に使ったお米。このお米でオリジナル日本酒も委託醸造して販売。消費者との交流にも積極的ですが、冷やかしではなく、買って応援してくれる人が欲しいとのこと。
この地域も震災後離農者が増えたそうですが、それは原発のせいではなく、やりたくない人がそれを理由に辞めただけ。年寄りがのさばる古い農家的な体質には批判的でした。
強い意志があるからこそ営農が続けられたのだと思いました。
広野町の新妻さんの所を後にして、大熊町の谷さつきさんを迎えてのミーティング。場所は富岡町の再生の先頭に立つ平山さんが営むホテルひさごやです。

谷さんは震災前は東京にいましたが、避難区域に残された牛🐂を救いたいと浜通りに来て、現在は帰還困難区域のため耕作放棄されている大熊町の農地の再生を牛の放牧で図っています。名付けて「モウモウプロジェクト」。草木に覆われた農地を柵で囲い、牛を放すとみるみるうちに農地が蘇るそうです。
因みにモウとは牛の鳴き声ではなく、英語の草刈りを意味するmowから来ているのだとか。
また再生した農地でコットンやキウイ栽培を計画されています。
強い想いを持って単身乗り込み、今は何人もの支援者、協力者を得て活動されている様子は、私たちにも希望を与えてくれました。
これからもっと牛を増やしていくために、一口牛主さんも募集するそうです。
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この場で参加者と今回のツアーの振り返りを行なったあと、一路いわき市へ。夕方いわき駅で解散となりました。

ツアーに参加してくれた皆さん、ご協力頂いた皆さん、ありがとうございました。

スローフード講習会 おむすび&みそ仕込みワークショップ

2月11日(日)に味噌造りとおむすびの会と言うテーマで、東京国立市JIKKAで講習会を行いました。
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①ランチおむすびの会
 当会理事の南会津町・馬場さんの育てたお米でおむすび、トマトでミネストローネ、粷で漬物、当会会員の石川町・塩田さんのいか人参と白菜漬けを出しました。28033344_851329605058819_503768728_o.jpg

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おむすびは、味噌と梅漬けを細かく切って混ぜたものを馬場さんの指導の下、スタッフに握ってもらいました。コツは強く握らないで、米と米を結ぶように空気を含めることと説明しながら握ってもらいました。
ランチを食べているときに、馬場さんの体験を通しておにぎりとおむすびの違いと、お母さん(おばあちゃん)と子どもをむすぶ意味のあることを説明し、実際におむすびを握る体験をしました。
参加者からはコンビニやスーパーのおにぎりは固くて粘り気が強いが、このおむすびはふわっとしていて美味しいとか食べやすいと言う感想や、味噌を表面に塗った品や梅の細かく混ぜた品を子供が喜んでいっぱい食べたというお話をいただきました。 27999194_851330768392036_1865399441_o.jpg
参加者からは現状では、おにぎり(おむすび)はほとんど握ることがなく、大半がコンビニ等からの購入になっていて、孫たちも一緒に住んでいないので、握る機会がないということでした。もう一度おにぎり(おむすび)を通して家族のコミニュケーションをしたいといわれていました。

②味噌造り講習会
馬場さんの育てた、豆(黒人)玄米糀、国立のあひるの家から購入したベトナム産の自然塩を使用しました。
前日に煮ておいた豆を袋に入れて、5~6名1組になり手で潰し塩きり糀と混ぜ、各1キロづつ味噌玉にして容器に入れました。
講習後、馬場さんが日常の管理と食べごろを説明し、手前味噌のいわれや手造り味噌の大切さと家庭の味の大事さを唱えていました。
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豆腐WS(2 12 2018)

このワークショップ開催にあたり、福島とつながる種まきプロジェクトネットワークの皆さんに多大なるご協力を頂きました。ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

豆腐づくり体験(2月12日)

全国豆腐品評会・木綿豆腐の部で入賞した豆腐屋小原さんに講師になっていただき、生しぼりの充填豆腐とざる豆腐つくりを体験しました。山形在来の青豆、秘伝を使いました。生しぼりとは、豆乳とおからに分離してから豆乳だけ加熱してにがりで固めて豆腐を作る方法です。おからは加熱しません。参加者は6名でした。雪道や渋滞の中お越しいただいた参加者のみなさま、ありがとうございました。

・ミキサーのかける時間は状態をみて決める。
・豆乳は沸騰するまで加熱するが、焦がさないように火が当たる部分を木べらなどで撹拌する。
・沸騰したらすぐに火を止め、60度まで冷ます(温度センサー使用)。
・撹拌しながら「にがり」を加え、さらに勢いよく撹拌。
・30分以上放置したら、容器やざるに移す。

待ち時間に小原さんから豆腐のこと、長谷川から大豆の機能性について説明しました。豆腐の味を決めるのは、職人の腕に加えて、大豆が持っているオリゴ糖(ラフィノース、スタキオースなど)の甘み、脂質の塊(オイルボディ)の状態、にがりなどが重要です。上位入賞した人のほとんどが在来種を使っているそうです。

スーパーの50円や100円の安売り豆腐には、大豆が数粒しか入っていません。凝固剤の性能がよいのでそれでも固まりますが、大豆の風味はありません。実際には水を食べていることになります。参加者は、3つのグループに分かれて行いましたが、グループによってクリーミーになったりプルプルになったり、微妙に違うのですね。職人んの小原さんから直接指導を受けたので、どれも美味しかったです。

機会がありましたら、小原さんの豆腐をスーパーと食べ比べてみてください。
http://www.ohara21.com/menu.php

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