野菜の技術検討交流会 報告

7月25日、郡山市の佐藤喜一さん(ケルプ農場)、田村市船引町の大河原伸さんと渡部芳男さん(日本エゴマの会・ふくしま)の畑を見学しました。

佐藤喜一さんは、原発事故で7割の消費者を失いました。それまで行ってきた養鶏をやめ、野菜も自然栽培に転換し、自家採種を行いました。山あいの造成地で野菜と麦類、雑穀を栽培しています。リンゴ、モモ、梅の自然栽培も始めました。今度、養鶏を再開するそうですが、そのための雑穀も自ら栽培して、あまり物を与えることはしないそうです。こだわりはハンパありません。

大河原伸さんも原発事故で消費者の2/3を失いました。ガリ版で1,300回を上まわる発行を続けてきたニュースレターも途絶えてしまいました。再起をかけて直売所併設のレストラン建築を一念発起しました。しかし、そのための資金、3,000万円!を銀行や金融公庫から断れてしまいました。止むを得ず口コミで資金援助を親戚、友人、知り合いなど多方面にお願いしたところ、資金が集まり、レストラン「えすぺり」の建設ができました!今は、息子の海くんのお嫁さんで、元オルガン堂の料理人・倫子(ともこ)さんが料理担当、伸さんご夫婦は以前のように田畑に専念できるようになりました。新しい消費者開拓で始めた「月一クラブ」という野菜と加工品の宅配も200戸になりました。

渡部芳男さんは、今から45年前に福島で先駆的に有機農業を始めた故・村上周平さんを引き継いでエゴマ栽培を行っています。エゴマはイノシシもシカに食べられることもなく、中山間地で安心して栽培できます。油は不飽和脂肪酸が含まれて健康の面から注目されていることはいうまでもありません。エゴマ粕使ったバイオガスプラントもあって、液肥を有効活用しています。参加者からエゴマ栽培の留意点について質問が相次ぎました。

見学されていただいた農家は、三者三様で、畑には農家の個性が現れていました。有機農業は「生き方」であり「自己表現」であることを再認識しました。

野菜技術検討会 4
佐藤喜一さんのネギ

野菜技術検討会 5
佐藤喜一さんのリンゴ苗木(2年目)

野菜技術検討会 2
大河原伸さんの説明

野菜技術検討会 3
えすぺりのランチを説明する元・オルガン堂料理人 倫子さん

野菜技術検討会
渡部芳男さんの説明
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有機栽培果樹の技術検討交流会(7月4日) 報告

会津若松市で会津身不知柿(渋柿)を栽培するしぶ川吉美さん、柳津町でブルーベリーを育てる金子勝之さんのところにおじゃましました。大雨が心配されましたが、雨も小ぶりで会をぶじ終了することができました。

しぶ川さんは、2ヘクタールで身不知柿を化学合成農薬、肥料を一切使わず育てています。穫れた柿は著名人などに高値有利販売しているそうで、従業員とアルバイトなどを年間多数雇用するやり手の方です。「会津農書」を世界遺産に登録することにも尽力されております。
 柿園を開く時は、緑肥のソルゴー(品種スダックス)を播き、硬くなるまで伸ばしてから、刈り取り果樹園へお炭素供給とソルゴーの根っこによる土壌物理性改良を2年ほど行った後、柿の苗木を植えました。水田転作したところなので、土壌改良したしぶ川さんの柿と比べて、隣の土壌改良していない柿は生育が貧弱でした。苗木も、台木となる品種の種を播き、その上に身不知柿の枝を接ぎ木おり、ほかの農家のように苗木を買ってはいません。仕立てはリンゴの木のように枝がしなっていました。しなっている方が、風の被害もないのだとか。まるで柳のようでした。摘花、摘蕾を人手をかけて確実に行い、葉っぱの枚数に比較して余裕のある結実をさせます。高値有利販売をしているから、よいものだけを目指しているようです。柿の木は放任すると樹高が高くなる高木で、昔、柿は全て無農薬、無施肥でしたが、それでも収穫はありました。柿は果樹の中では日本の風土に合っています。現在の商業生産では樹高は低く抑えて、管理と収穫を容易とします。柿の木に適した土の条件、木が持っている元々の性質を発揮させてこそ、無農薬が可能となる思いました。

続いて、金子さんのところにおじゃましました。金子さんは、地熱発電所がある柳津町西山温泉でブルーベリーを無農薬栽培しています。今から30年前に下の娘さんが生まれた時に記念に植樹したのが始まりでした。地熱発電所建設のために土を埋めたところだったので、痩せていて、籾殻やダムから流木などをもらい受け、溝を掘って投入を続けました。今では土がふかふかです。冬の積雪も2mを超えますが、ブルーベリーは豪雪地帯に適しているそうです。今では30アールのブルーベリーを、収穫冷凍してジャムや加工原料としています。完熟で収穫しているので、出荷はごく限られた量だけです。金子さんの人柄もあり、熱心なファンがいて、我々が見学した翌日も収穫体験に来ていました。周辺は里山に囲まれて生態系は豊かです。もしかしたら、こうゆうところが無農薬の果樹栽培に適しているのかもしれません。

お二人を通じていえるのは、土つくりのこだわり、果樹の特性を把握した剪定と管理を行っている点でしょうか。しぶ川さんのところも金子さんのところも熊が出るそうですが、全く気にしていません。野生動物と共存するのは当たり前だとおっしゃっていたのも印象的でした。

果樹検討会
ピンクのシャツがしぶ川さん(しぶは旧字)。2時間しゃべりっぱなしでした。

果樹検討会 2
合成農薬も肥料もいっさいなしの柿園。

果樹検討会 3
金子さん(右端)のブルーベリー園

果樹検討会 4
結実中の実

果樹検討会 5
金子さん自家製のチーズケーキにブルーベリーてんこ盛り

野菜の技術検討交流会のご案内(7月25日)

<開催趣旨>
有機農業では、これまで現場の農家が中心となって技術開発してきました。県内各地で取り組んでいる稲作では目覚ましい進歩を遂げました。野菜作でも各地で取り組んだノウハウが蓄積しています。一方、畜産では家畜を飼う人が少ない、果樹では依然としてハードルが高いなど、分野ごとに置かれている状況が大きく違っています。技術検討交流会は無農薬、無化学肥料で、
なるべく購入資材に依存せずに地域資源活用の技術を広げるための相互学習の場を提供することを第一の目的とし、分野ごとに開催します。稲作では、会津、中通り、浜通りと地域別に開催します。
 今回は、中通りにて下記の生産者の農場を見学し、情報・意見交換などを行います。

◆開催日:7月25日(火) 10:00から17:00

◆集合場所:「けるぷ農場」
〒963-1152 福島県郡山市田村町細田字嘉成96

◆開催場所:
(郡山市) けるぷ農場
(田村市) 大河原伸さん
(田村市) 日本エゴマの会・ふくしま

◆資料代:会員500円、会員以外1,000円

◆スケジュール(予定)
1)午前
「けるぷ農場」(佐藤喜一さん)ほ場見学
野菜のほか自然栽培の果樹の苗木等を見学させていただきます。

2)昼食・休憩
・「えすぺり」
(〒963-7711 田村郡三春町桜ヶ丘3-2-3)
・料金:お一人1000円 (コーヒー含)
・「えすぺり」は平成25年にオープンした直売所。
 近隣の有機栽培生産者から出品される野菜、果物の他パン等が並びます。
 https://www.facebook.com/esperi.ichikaraya

3)午後
まず大河原伸さんの農場見学をします。
その後、移動をし「日本エゴマの会・ふくしま」の農場見学をします。
http://egoma.co/

◆緊急連絡先
長谷川浩 090-6226-9612

◆お申込み・問い合わせ先
福島県有機農業ネットワーク
MAIL:info@fukushima-yuuki.net
電話:0243-24-1795

稲作技術検討交流会(中通り) 報告

6月28日、石川町で秀明自然農法を実践する吉田誓会員、郡山市の成田守会員の圃場を見学しました。吉田さんはポット苗を消費者と手植えしていました。成田さんもポット苗を移植していました。ポット苗は健病育成に最適で、順調に生育していました。除草には中耕除草機を使っていました。

その後、郡山市で親子三代で50年にわたって有機農業を行っている石澤智雄さんの水田をみせてもらいました。石澤さんは10年前から二山(ふた)耕起といい、秋から春にかけて田んぼに畝立てすることで田んぼを乾かせて雑草を抑制する方法を実践してきました。投入したのは米ぬか10アール30kgだけでした。その後、米ぬかの投入もやめ、本田では無投入としました。いわゆる自然栽培です。現在では、育苗培土と育苗に使う魚液といって魚かすから取った液体肥料を購入しているだとのことです。除草に入るのは1回だけ、いわゆるトロトロ層が形成されており、全く無除草の田んぼも何枚かありました。石澤さんは、今年、6.6ヘクタール、大きな高校のグラウンド6枚半!もの田んぼで自然栽培を実践してします。

参加者から、無施肥だと草丈が10cmを少し超えるぐらいにしかならず、田んぼの均平を完璧に行い、かつ苗が黄化しないうちに田植えすることが肝要であると報告がありました。

農薬や化学肥料を使う慣行栽培とは異なり、有機栽培では完全なマニュアルはできません。有機農業は自然を活用する農業であり、田んぼは一枚一枚が違うのですから、一枚一枚に最適化したメニューを用意するのです。別の言い方をすれば、自然を人間に合わせるのではなく、人間が自然に合わせる必要がある、それが有機農業の技術です。

稲作は福島県はもちろん全国各地で行われており、有機栽培の技術は進歩してきました。現在も進化しています。今後、これを要約していきたいと思います。

稲作技術検討会(中通り)
参加者に説明する吉田さん

http://blog-imgs-106.fc2.com/f/u/k/fukushimayuuki/20170630031012ab3.jpg稲作技術検討会(中通り) 2
手植えしたポット苗

稲作技術検討会(中通り) 3
銀河のほとりで昼食

稲作技術検討会(中通り) 4
成田さんの田んぼとビニペット除草機

稲作技術検討会(中通り) 5
石澤さんの田んぼ

【技術検討交流会:果樹】

 有機農業ではこれまで現場の農家が中心となって技術開発してきました。県内各地で取り組んでいる稲作では目覚ましい進歩を遂げました。野菜作でも各地で取り組んだノウハウが蓄積しています。一方、畜産では家畜を飼う人が少ない、果樹では依然としてハードルが高いなど、分野ごとに置かれている状況が大きく違っています。技術検討交流会は無農薬、無化学肥料、地域資源活用の技術を広げるための、相互学習の場を提供することを第一の目的とし、分野ごとに開催します。稲作では、会津、中通り、浜通りと地域別に開催します。

日時 7月4日(火)午後1時から
    集合場所 会津若松市門田町御山中村102(しぶ川さん宅)

 場所 会津若松市門田町 しぶ川吉美(しぶの字は旧字、きちみ)さん  身不知柿 
    柳津町 金子勝之会員 ブルーベリー

 参加費 会員500円、非会員1,000円

 当日連絡先 長谷川携帯 090ー6226ー9612

 「自然農の果物づくり」が刊行されました。これによると、自給目的であればどのような果樹でも無農薬で栽培できるとしています。 秘訣の1つが、植え付け時に堆肥も有機肥料でも与えないことのようです。栽培規模が大きくなると、天敵を育んで特定の害虫が多発しないようにするためのノウハウの蓄積が必要です。
 樹種別にみると、福島県で無農薬栽培が可能と思われるのは、ブルーベリー、キウイフルーツ、ゆずです。カキでも無農薬栽培を行っている農家がいます。今年は、ブルーベリーの無農薬栽培を行っている当会会員の金子勝之さんのところと 会津若松市で身不知柿を栽培しているしぶ川さんのところで、果樹の技術検討交流会を開催し、情報交換を行います。


【お問い合わせ先】
福島県有機農業ネットワーク 事務局
〒964-0871
福島県二本松市成田町1-511
T E L : 0243 - 24- 1795
MAIL : info@fukushima-yuuki.net
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