9月12日稲作技術検討会(浜通り)報告

いわき市、南相馬市小高区、相馬市の有機水稲栽培圃場を見学しました。参加者は12人でした。

いわき市では安島美光会員の山田錦。昨年から栽培を開始し、今年は山田錦のクセも習得して順調な生育でした。

小高区では、根本洸一会員の雄町。昨年より生育が遅れ、ようやく出穂が始まったところでした。稲刈りは11月になる見込みですが、稲姿は立派でした。

相馬市へ移動して、非会員ですが、渡辺正行さん、反畑(たんばた)能(あとう)さんの水田を見学しました。渡辺さんは、乗用のチェーンとプラホウキ除草、歩行の動力田車を組み合わせて、反畑さんはトロトロ層が形成されて、それぞれ5ヘクタールの水田を有機栽培していました。

見学会終了後も、参加者は反畑さんの水田脇で、稲作論議が尽きませんでした。これぞ農民魂です!

今回見学させていただいた根本さんが80歳、渡辺さんも70代、反畑さんは84歳!ですが、みんな現役で除草剤を使わず稲つくりを行っています。安島さんは60代ですが、フルマラソンを走ります。稲姿も素晴らしい。これから超高齢化社会を迎える中で、現役で農業を続ければ何歳になっても生きがいがあり、頭も使い体も動かすので健やかな老後につながる。稲姿だけでなく、生きざままで学ばせてもらいました。ありがとうございました。

稲作技術検討交流会
山田錦の前で説明する安島さん

稲作技術検討交流会 2
ようやく出穂始めた雄町を背に根本さん

稲作技術検討交流会 3
長さ4mのプラホウキ、土を削るように除草する、一番手前が渡辺さん

稲作技術検討交流会 4
おん歳84歳の反畑さん
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8/27 藍の学校 生葉染め編を開催しました

藍の学校1
お天気にも恵まれ、藍の学校 生葉染め編を開催しました!
今回は初心者にも気軽に体験できるバンダナ染めです。
まずはバンダナに模様をつけるため、輪ゴムや割り箸、洗濯バサミを使って施していきます。
その後、畑に行って生葉を摘み取ります。
前回、定植した苗だけでは足りず、森さんの畑からも分けていただきました。
藍の学校4

およそ20センチほどの長さで摘み取り、茎から葉を外していきます。
その後、葉を水洗いをして洗濯ネットに入れ、揉み出し染液を作っていきます。
これが、意外と重労働。みなさん、徐々に無言に。(;^_^A
藍の学校3

何とか出来上がった染液に、布地を入れ空気に触れないようにしつつ、ムラにならないように染液の中で15分ほど泳がせます。
そして桶に水を溜め、布地を入れ、染液を流しだすと水中酸化で綺麗な水色に染め上がります。
藍の学校2

みなさんに笑顔が広がり、ほっとひと安心。
揉み出しの苦労も忘れるほど、きれいに染まりました。
今回は、名古屋や東京、米沢、県内では会津坂下町からもご参加いただきました。
遠方よりありがとうございました。
次回もぜひご参加ください!

稲作技術検討交流会(会津)

会津は、千葉県と同じ面積があるほど広いです。そのほとんどは山で、山からの水を引いて各地で農薬を使わない稲作が行われています。今年は、会津若松市の長尾好章さん、喜多方市熱塩加納町の大竹久雄さん、猪苗代町の土屋直史さんのところを見学しました。

長尾さんは、会津盆地の真ん中で自然栽培のお米3haと枝豆、ハウストマトなどの複合経営を行っています。60gの筋まきで育てた苗を植え、除草は機械除草一回のみで、あとは稲の力に任せ、野菜に労力をまわすようにしています。収量は5俵もいきませんが、それで構わないとのことでした。後で見学した土屋さんたちと一緒に自然栽培米を使って地元の会津娘(高橋庄作酒造)に仕込んでもらったお酒を自己販売しているとのことです。仲間の高階さんが酒販免許も取得しているとのことでした。昨年の仕込み量は2千リットルでしたが、今年は倍に増やすとのことです。

大竹さんは、山裾に広がる田んぼにおいて10haのうち6haを有機栽培しています。これまでは紙マルチ抑草を図ってきましたが、労力やコストの面から「脱」紙マルチを模索しています。田植え二日後に酒カスペレットを10アール20kg散布したところ、前年度多発したヒエが風が吹いた際に抜けてしまったそうです。トロトロ層が即席に形成されたのでしょうか。参加者みな、大竹さんの話に聞き入っていました。

土屋さんは、標高550mもある稲作限界地帯においてお父さん、お兄さんと共に、飼料米10haをはじめ稲作、野菜や花栽培などを大規模に行っています。ご本人は、亀ノ尾、ササシグレ2haを自然栽培していました。自家製ボカシで育苗した苗を、坪80株で密植し、中耕を5回行っているそうで、冷害に遭わなければ順調に稲刈りできそうでした。亀ノ尾は普通草丈が1.5mぐらいになるのですが、高冷地のせいか亀ノ尾と思えないくらい草丈が低かったです。ササニシキとササシグレは吸肥力が強くて自然栽培に適しているとのことでした。

福島県の中の会津だけとっても、多様な有機稲作が行われています。そして、皆さん毎年進歩しており、中通りや浜通りの参加者にも刺激になったと思います。参加者は、昼食に立ち寄った喜多方ラーメンの人気店、一平で千円のスペシャルラーメンを注文していました。みんなよく食べる。農家の元気の源はやはり食べることのようです。

長尾さん水田
長尾さん水田、葉色が薄い

大竹さん水田
大竹さん水田、今年は雑草も抑えて多収が期待できそう

大竹さん酒粕ペレット
大竹さんの酒粕ペレット(水分調整は米ぬか使用)

土屋氏水田
土屋さん水田、向かって左がササシグレ、右が亀ノ尾

野菜の技術検討交流会 報告

7月25日、郡山市の佐藤喜一さん(ケルプ農場)、田村市船引町の大河原伸さんと渡部芳男さん(日本エゴマの会・ふくしま)の畑を見学しました。

佐藤喜一さんは、原発事故で7割の消費者を失いました。それまで行ってきた養鶏をやめ、野菜も自然栽培に転換し、自家採種を行いました。山あいの造成地で野菜と麦類、雑穀を栽培しています。リンゴ、モモ、梅の自然栽培も始めました。今度、養鶏を再開するそうですが、そのための雑穀も自ら栽培して、あまり物を与えることはしないそうです。こだわりはハンパありません。

大河原伸さんも原発事故で消費者の2/3を失いました。ガリ版で1,300回を上まわる発行を続けてきたニュースレターも途絶えてしまいました。再起をかけて直売所併設のレストラン建築を一念発起しました。しかし、そのための資金、3,000万円!を銀行や金融公庫から断れてしまいました。止むを得ず口コミで資金援助を親戚、友人、知り合いなど多方面にお願いしたところ、資金が集まり、レストラン「えすぺり」の建設ができました!今は、息子の海くんのお嫁さんで、元オルガン堂の料理人・倫子(ともこ)さんが料理担当、伸さんご夫婦は以前のように田畑に専念できるようになりました。新しい消費者開拓で始めた「月一クラブ」という野菜と加工品の宅配も200戸になりました。

渡部芳男さんは、今から45年前に福島で先駆的に有機農業を始めた故・村上周平さんを引き継いでエゴマ栽培を行っています。エゴマはイノシシもシカに食べられることもなく、中山間地で安心して栽培できます。油は不飽和脂肪酸が含まれて健康の面から注目されていることはいうまでもありません。エゴマ粕使ったバイオガスプラントもあって、液肥を有効活用しています。参加者からエゴマ栽培の留意点について質問が相次ぎました。

見学されていただいた農家は、三者三様で、畑には農家の個性が現れていました。有機農業は「生き方」であり「自己表現」であることを再認識しました。

野菜技術検討会 4
佐藤喜一さんのネギ

野菜技術検討会 5
佐藤喜一さんのリンゴ苗木(2年目)

野菜技術検討会 2
大河原伸さんの説明

野菜技術検討会 3
えすぺりのランチを説明する元・オルガン堂料理人 倫子さん

野菜技術検討会
渡部芳男さんの説明

有機栽培果樹の技術検討交流会(7月4日) 報告

会津若松市で会津身不知柿(渋柿)を栽培するしぶ川吉美さん、柳津町でブルーベリーを育てる金子勝之さんのところにおじゃましました。大雨が心配されましたが、雨も小ぶりで会をぶじ終了することができました。

しぶ川さんは、2ヘクタールで身不知柿を化学合成農薬、肥料を一切使わず育てています。穫れた柿は著名人などに高値有利販売しているそうで、従業員とアルバイトなどを年間多数雇用するやり手の方です。「会津農書」を世界遺産に登録することにも尽力されております。
 柿園を開く時は、緑肥のソルゴー(品種スダックス)を播き、硬くなるまで伸ばしてから、刈り取り果樹園へお炭素供給とソルゴーの根っこによる土壌物理性改良を2年ほど行った後、柿の苗木を植えました。水田転作したところなので、土壌改良したしぶ川さんの柿と比べて、隣の土壌改良していない柿は生育が貧弱でした。苗木も、台木となる品種の種を播き、その上に身不知柿の枝を接ぎ木おり、ほかの農家のように苗木を買ってはいません。仕立てはリンゴの木のように枝がしなっていました。しなっている方が、風の被害もないのだとか。まるで柳のようでした。摘花、摘蕾を人手をかけて確実に行い、葉っぱの枚数に比較して余裕のある結実をさせます。高値有利販売をしているから、よいものだけを目指しているようです。柿の木は放任すると樹高が高くなる高木で、昔、柿は全て無農薬、無施肥でしたが、それでも収穫はありました。柿は果樹の中では日本の風土に合っています。現在の商業生産では樹高は低く抑えて、管理と収穫を容易とします。柿の木に適した土の条件、木が持っている元々の性質を発揮させてこそ、無農薬が可能となる思いました。

続いて、金子さんのところにおじゃましました。金子さんは、地熱発電所がある柳津町西山温泉でブルーベリーを無農薬栽培しています。今から30年前に下の娘さんが生まれた時に記念に植樹したのが始まりでした。地熱発電所建設のために土を埋めたところだったので、痩せていて、籾殻やダムから流木などをもらい受け、溝を掘って投入を続けました。今では土がふかふかです。冬の積雪も2mを超えますが、ブルーベリーは豪雪地帯に適しているそうです。今では30アールのブルーベリーを、収穫冷凍してジャムや加工原料としています。完熟で収穫しているので、出荷はごく限られた量だけです。金子さんの人柄もあり、熱心なファンがいて、我々が見学した翌日も収穫体験に来ていました。周辺は里山に囲まれて生態系は豊かです。もしかしたら、こうゆうところが無農薬の果樹栽培に適しているのかもしれません。

お二人を通じていえるのは、土つくりのこだわり、果樹の特性を把握した剪定と管理を行っている点でしょうか。しぶ川さんのところも金子さんのところも熊が出るそうですが、全く気にしていません。野生動物と共存するのは当たり前だとおっしゃっていたのも印象的でした。

果樹検討会
ピンクのシャツがしぶ川さん(しぶは旧字)。2時間しゃべりっぱなしでした。

果樹検討会 2
合成農薬も肥料もいっさいなしの柿園。

果樹検討会 3
金子さん(右端)のブルーベリー園

果樹検討会 4
結実中の実

果樹検討会 5
金子さん自家製のチーズケーキにブルーベリーてんこ盛り
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