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「健康な土づくり研修会」報告

1月20日に、郡山市にある福島県農業総合センターにおいて、弘前大学教授杉山修一氏の講演会等が行われました。

杉山氏は、奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんのリンゴ畑の調査をしておられます。それによると、木村さんのリンゴは無農薬で化学肥料も堆肥も有機肥料も使わないにもかかわらず、慣行の7−8割の収量をあげています。病班は出ますが広がず大きな被害にはなりません。害虫もみられますが、被害が拡大しないことから天敵によって食べられてしまっているようです。盛岡市で木村さんのやりかたをまねた「模倣園」を7年間にわたって実践してきましたが、ほぼ収穫皆無でまだうまくいっていません。奇跡のリンゴが奇跡でなくなる目処はまだたっていません。

杉山氏は、水稲や畑の自然栽培も調査しています。水稲では、宮城県涌谷町で40ヘクタールの水稲栽培を行い、平均で8俵の収量をあげている黒澤重雄さんを調査しました。黒澤さんの水田は、他の自然栽培や慣行栽培に比べて、生育後期の窒素供給が高いことが明らかになりました。施肥をしていないのに窒素供給が高いのは、雑草が少ないので株元に光が差し込み、土壌表面で独立栄養型の窒素固定が行われていること、代掻きや中耕除草を行うことで養分が有効化していると考えられました。

畑の自然栽培においても窒素供給が肝要であるとのことですが、水田に比べてまだ展望は立っていないように思われます。畑は土の中に酸素があるので、微生物が土の腐植を分解するので、常に有機物を補給しないと土が痩せてしまいます。畑は水を排水しないと酸素欠乏になってしまいますが、その排水で養分も流亡してしまいます。さらに、畑では独立栄養型の窒素固定菌はあまり働きません。1つの方法は、炭素/窒素比が高い(目安が40程度)堆肥を投入することにあるようです。投入をしないなら、緑肥や雑草を活用することです。


続いて、郡山市にて親子三代で有機農業を40年以上にわたって営んできた石澤智雄さんから実践報告がありました。石澤さんは10年前から自然栽培にも取り組んでいます。具体的には、水田では冬の間、畝を立てて土を乾かすことで雑草を抑制することに成功しました。収量は5俵レベルですが、黒澤さんをまねて収量の向上を図る計画とのことです。ニンジンでは緑肥と組み合わせることで雑草抑制にもつながりました。ニンジンで作ったジュースは味がよいと好評です。

最後に、試験結果の発表がありました。福島県には有機農業推進部局があるのが心強いです。今後も技術開発の連携をしていければと思います。

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Yahoo!基金で寄付を募集しています

このたびYahoo!基金のご協力により、募金サイトを立ち上げることができました。

集まった寄付金で、浜通り地区の農業の復興の一助となるよう、活動していく所存です。

まずは多くの方に、このサイトをご覧いただきたく、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

http://donation.yahoo.co.jp/detail/5107001/

新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
過度なグローバル化によって壊された人々の暮らしを再生するため、地域に根差し自然と向き合い、有機的な人間関係を生む有機農業の重要性はゆるぎないものであると、昨年の国内外の情勢はあらためて教えてくれました。
 当法人は、昨年新たに中期計画を立て、福島の農業の復興と有機農業のさらなる発展に向けて微力ながら活動を進めてまいりました。
 今年はこの計画に基づき、浜通り地区に新たな体験交流拠点を創ります。また県内各地で生産者と消費者との交流がより活発になるよう、尽力を図っていく所存です。
本年もご支援並びにご指導を賜りますようお願い申し上げます。
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12/3.4 浜通りモニタリングツアーを開催しました!

2016年12月3日〜4日にかけて、浜通りのモニタリングツアーを開催いたしました。
震災から5年7ヶ月が経過し、復興の状況は福島県内でも地域によってずいぶんと異なってきています。避難を余儀なくされた浜通りの一部地域では帰還が始まり、復興住宅もでき始めていますが、まだ先の見えない状況が続いています。
そんな中で、これまでふくしま有機ネットの事業を通してつながった方々と、浜通りの現場を訪れながら、農業を軸にした今後の交流や支援のあり方について考える場にしたいと考え、モニタリングツアーを企画しました。

【1日目】
まず始めに、南相馬市小高区のある、根本洸一さんの畑と田んぼ見学させていただきました。小高区は今年(2016年7月)に避難解除になりました。震災後は、仮設から通いながら農業を続けてこられました。
かぶやレタス、キャベツなど冬野菜が立派に育っています。また、今年は雄町という酒造好適米の栽培に取り組まれました。雄町は背が高く、稲が倒れるのではないかと心配しましたが、見事に収穫されました。この酒米は郡山市の仁井田本家さんで加工され2月にはお酒になる予定です。
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2件目は、南相馬市原町区の杉内清繁さんの菜の花畑です。今年は面積を大幅に拡大されました。10月以降、天気の悪い日が続き、なかなか種まきができなかったそうですが、芽が出始めている畑もあり、春の菜の花畑が楽しみです。
宿泊は南相馬市鹿島区の塔前の家という農家民泊で、杉内さんご夫妻を囲み、南相馬の実情をうかがいつつ、楽しい交流の時間となりました。
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【2日目】
2日目は、相馬市にある大野村農園の菊地さんの鶏舎と畑に伺いました。菊地さんは震災後にUターンされ、就農されました。鶏にとって心地よい環境をつくること、クズ大豆や小米、魚のアラなど地域のなかで餌を循環させることなど、その取り組みは参加者のみなさんも興味深く聞いておられました。まだ生温かい生みたての卵を採る体験もさせていただきました。大小さまざま、命をいただくんだなと感動的。
そして、今年は長年探し続けられた相馬市の伝統野菜である相馬土垂の復活にも取り組まれました。来年はさらに栽培を増やすとのことで、今から楽しみです。
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続いては、新地町の果樹園マルショウ、畠利男さんのりんご畑です。ネオニコチノイド系農薬を使わず、慣行栽培の半分以下の農薬で育てられています。また化学肥料は一切使われていません。震災前はすぐ近くの港で海水を採りに行かれていましたが今は日本海側までとりに行かれています。畑でかじるりんごはまた格別においしい!参加者のみなさんにも笑顔がこぼれます。
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まだまだ厳しい状況はありますが、これからのつながり方や支援について考えるひと時となりました。来年以降も継続して、多くの方に福島に来ていただく取り組みを続けていきたく思っています。

福島県農業総合センター主催のセミナーに参加しました

福島県農業総合センター・有機農業推進室主催の有機農産物マーケティング研修会に参加しました。
講師は宮城大学の@谷口葉子先生。(そのあとにイオンのバイヤーの方)
谷口先生はCSAや提携など、有機農業の消費や流通の研究が専門で、以前、堰と里山を守る会についてヒヤリングに山都町まで来てくれたことがあります。
さて今回はどんな層の人が有機農産物を買ってくれているのかというマーケティングの話で大変興味深いものになりました。
マーケティング研修チラシ

以下、備忘録もかねて講演の内容をまとめました

【マーケットの動向は】
・欧州や米国では毎年10%前後で市場規模が拡大している。ここ10年では欧州で2倍以上、米国では3倍以上に拡大。
・日本は欧米に比べ有機食品購入金額がずっと少なく、成長の潜在能力は高いと言える(かも)。
・日本の有機JAS各付け数量や圃場面積は年率3%前後の増加しているものの、市場に有機食品が占める割合は0.2%程度
・それに対し、デンマークは7.6%、スイス7.1%、米国5%、フランス2.6%、イタリア2.2%など
・日本の消費者の有機農産物に対する評価は「安全」「美味しい」「健康を改善」「自然環境の保全」などで半数以上の人が評価し、関心がある、大いに関心がある人も合わせて56%と高く、今後購入したいかという問いにも57.5%が購入意欲を示している。
・ここに「態度と行動のかい離」が見られる。
・関心があり、購入したい人は半数以上。でも市場に占める割合は0.2%。原因は何か?
大手流通のイオンも参入。
・有機農産物は作れば売れる時代になってきた? 現在、東北地方の有機農産物は圧倒的に供給不足でイオンも供給元を探している。

【ターゲットは誰か? どんな人なのか?】
(アンケート調査から消費者の動向を分析)
・原発事故直後のアンケートから、有機野菜をたまに購入する~定期的に購入する人のグループの中には、事故を機に「有機野菜を買い控えているものがある」人が40%弱(38.5%、34%、39.8%)いて、普段ほとんど有機野菜を買わない人のグループ(同22.4%、29.2%)よりも高い。⇒有機野菜を買う人ほど福島産を避ける。
・一方で「支援のためにむしろ積極的に購入している」人が日頃有機野菜を購入する人の中には11.4%、15.7%、12.9%と、普段ほとんど有機野菜を買わない人のグループ(7.6%、8.5%)よりも高い。⇒有機野菜を買う人で、福島を支援するという利他的気持ちが強い。
・つまり有機野菜の購買層には、放射性物質に対する反応で二極化(避ける派と支援派)傾向が見られる=有機農産物の購買層は多様であることを示している。
・有機野菜に支払ってもよい価格水準は、購入頻度の高い人ほど支払ってもよいと考える価格水準は高くなる。(3割以上高くてもOKが半数以上)
・デモグラフィック上の特性は、購買層は学歴、収入が高く、配偶者と同居している。ただし、性別、年齢、職業、同居している子供の有無とは関係ない。(購入のきっかけは妊娠、出産が多いが)
・Schwartsの10種の価値から購買層が重視しているのは
「博愛」⇒環境保全、生物多様性など
「慈善」⇒家族愛、友人への愛など
さらにコアな購買層は
「安全」⇒健康、自分の安全など
「自主独往」⇒自己の裁量を重視するなど
・上位概念は「自己超越(利他性)」「保守」「変化受容性」
・これらからも購買層の多様性、購買動機の複雑さがみられる
シュワルツの10の価値
購買層の価値

購買層の分類(普段食べている野菜の35%が有機野菜の人)
・安全・利他⇒「安全」「博愛」を重視。一番大きなグループ。
・自立・利他⇒「自主独往」「博愛」を重視。次に大きなグループ。
・快楽・安全⇒「快楽」「安全」を重視。利己的価値を重視
・自己高揚⇒有機を食べる人には少ないグループ。一部の消費者にとってはむしろ重要な価値。
・価値の発見が大切。モノだけでなくコトで考える。Value of moneyを考えること。
・業界内の共有資源の充実化⇦これこそがふくしま有機ネットの役割ですね。
まとめ
・日本の有機食品市場は成長の潜在力が期待
・消費者の関心は高いが、実際に購入者はわずか
・購入層は多様性があり、細分化した層に適したアプローチが功を奏することもある
・有機農産物の価値を言としても捉え、消費者のどのようなニーズを充足できるか考える

会場には福島県有機農業ネットワークの会員の方も多数いらっしゃっていました。今後の有機ネットの活動に活かせるよう、会員の方ともこの内容を共有できたらと思います。
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福島県有機農業ネットワーク

Author:福島県有機農業ネットワーク
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